トンファーVSタモンズ「〜うん、またやるんだね うんまたやるよ うん〜」
今回こそは単独ライブだろう、と期待に期待していたので夏の単独ライブの日程が発表されたときには、言いようのない悲しみに襲われたわけですが、本人達が今回で最後というような告知をしていたので、次回こそは次回こそは90分まるまるトンファーだけを見るという贅沢が出来るようにと期待しています。
単独祭りの中に組み込まれてのVSライブは3度目で、過去は全戦タモンズの勝利という結果に終わっていたわけですが、今回は…結論的にはまたしてもタモンズの圧勝だったわけです。でもやっと一勝出来たし!
得票数的には差が開いてしまったものの、ファン目線として過去のVSライブではいまいちいつもの良さが出ていないように思ったものですが、今回は自分の大好きなトンファーの漫才がそこにあったので勝敗どうこうではなく、とても満足度の高いライブでした。
事前の勝敗予想アンケートでの得票数のままのような、審査結果だったので単純にファンの数がタモンズのほうが多いということなんだろうなぁと。うん、頑張れトンファー!(笑)
以下多いにネタバレを含んだ感想。トンファーに贔屓目な点についてはご愛嬌で。
- 前説:ラビッツ
曰く「5分前にいきなり前説をやれと言われた」そうで、ラビッツにとって初めての前説とのこと。思わず巻き起こる拍手。
やりなれないからか、いつになく照れた表情で拍手の練習を促す神野さん。これはとても貴重なものが見れた!
- OPVTR
漫才ノイローゼと呼ばれるぐらいに漫才ライブに引っ張りだこな二組にふさわしい映像でした。おもしろかっこいい。
タモンズの2人は僧侶のような格好なのに、トンファーは山西さんがお札を貼られまくった姿で、小浜さんは上半身裸で顔から体から埋め尽くすように「漫才」と書き込まれている。こわい。
数々の「漫才」の名のつくライブのタイトルが流れる。ものすごい量。
- オープニング
「諸先輩方のスケジュールがあわないということで」「あと友達なので」
この仕事が入らなかったら、親戚とぶどう狩りに行く予定だったらしい砂金さん。
「幼稚系漫才師」との紹介でトンファーが入場。客席後方から降りてくる。小浜さんはグローブ着用、山西さんはミット着用。前日のレッドカーペットで披露していたネタを軽く。
続いてタモンズが入場。大波さん1人だけで舞台まで辿りついてしまう。後から慌てた様子で安部さんが登場。
開会漫才と称してオープンスペースの漫才が。国歌斉唱。
先攻後攻を決定するためにじゃんけんを。安部さんと小浜さんがやることに。しかし安部さんは全く別の方向を向いてじゃんけんを…「今のはお前(大波さん)の仕事だろ!(小浜)」「俺はもう斜視ボケにはツッコまんのじゃ!(大波)」
先攻タモンズ、後攻トンファー。
漫才3本・コント1本の計4本で審査。オリジナルコントと称され「コントはだいたいオリジナルや!(大波)」「ここに書いてあんだよ!(砂金)」
- タモンズ:ラブストーリーは突然に
タモンズのネタではよくある構図ではありますが、大波さんが出した例えを話題になっている事柄に置き換えるという変換作業を行わずに、その言葉の通りに受け止めて「何言っとるん?」ととぼけた顔で逆に大波さんを諭そうとする安部さんが、それだけでもう面白くて。つくづく安部さんは人間的面白みに溢れている方だなぁと。
ただ、自分は裏切られる展開が待ち受けている漫才が好きなので、いつまでも議論が平行線なので途中飽きてしまった部分もあり。次に出てきたトンファーが開口一番「長い!」と言っていたので、長くなってしまったという感じなのかもしれません。であれば是非とも本来予定されていた長さのものを見たい。
- トンファー:びっくり人間
ふざけ倒したネタが似合いすぎるトンファーですが、こういう「うわぁ!」と思うような展開を作り出せるという器用さもあって、どんだけ私を夢中にさせるんだと(笑)
- タモンズ:おじさん
白くて華麗なうさぎちゃん=ミッフィーちゃんという変換が素晴らしいな、と。タモンズのネタの中ではこのネタが一番好みでした。
- トンファー:夢
とかいう導入を全て忘れても構わないぐらい中身のないネタでした。なんでこれが成立するんだ!もう、これでもかというぐらい笑わされました。
歌を唄い続ける小浜さんに困惑した挙句の山西さんの行動が面白くて。まず自分も歌い始めた時点でガツンと一発やられているのに、その後の「待つ」間の一挙一動が素晴らしく面白くて面白くて面白くて、その間山西さんは一言も喋っていなくて、小浜さんは声は発しているものの歌を唄っているだけで、そこには会話と呼べるものは存在しないのにこれが漫才になっているんだからすごい。
あと、このネタの中で山西さんが一瞬だけなんですけど、多分たまたまなんだと思うんですけど、ゾクゾクっとするぐらい自然に呆れた笑みを浮かべていて、その一瞬の表情だけで「え、小浜さん本当に暴走しちゃったの…?」って不安になるぐらい、それはそれは自然なもので。POISON GIRL BANDの漫才を見ている時のことを思い出したのでした。吉田さんは阿部さんが「さも今突然口走ったかのように」困惑した笑みを浮かべながらツッコむのですが、それがアドリブではなくていつ見たって同じ反応でツッコむというのが吉田さんの…ポイズンのクオリティなんですが、ものすごくそれに近いものを感じてゾワっとしたのでした。
- タモンズ:デビュー作
安部さんの言う「デビュー作」というのがことごとくワイドショーデビューというゴシップ情報で、そういう意味じゃない、という正そうとする大波さんと「でもこれで有名になったんだから」と引かない安部さんで。
安部さんの言ってることは屁理屈なんだけれど、ネタに屁理屈という印象がつかないのは安部さんのキャラクターに悪の要素が極めて少ないことが大きいのかな。それに加えて大波さんが屁理屈だ!というふうに指摘することは無くて、根気良く訂正し続けるから、安部さんが捻くれて主張しているのではなくて真直ぐに本気でそう思っているというように捉えられるのかなと。
個人的には後半に出てくる、おそらくメインであるゴシップネタのあのノリがどうにも肌に合わなくて、盛り上がるのかもしれないけれどそういうのに手を出さなくても十分面白いこと出来るのに、と勿体無い気持ちに。
- お好み焼きパーティー
多分台本はすごく良いんだろうけど、あんまり2人のキャラクターにあっていないかなぁと。2人…というよりも山西さんのキャラクターに違和感が。
自分の勝手なイメージでは小浜さんにどういう提案をされても独自のパーティー感を論じて言い負かしそうなので、小浜さんの言い分を割と素直に受け止めることに違和感が。
「パーティー感」という言葉から派生しての「○○感」という色々が面白かった。で、さいごの「あかん」ね。なんだかんだでそういう細かいところをキメてくるのが憎い。一体どう処理されるのかなと思っていた鼻めがねの回収の仕方とか。全体的にタモンズが優勢で、トンファーのこのネタだけが勝ったということはトンタモのお客さんは技術点の高い漫才が好きなのかな。
- タモンズ(コント):殺し屋
ネタの内容は、オチをブラックにもっていこうとする感じがコント慣れしていない漫才師が作ってみたコントという感じで、タモンズだったらこんなとってつけたようなブラックオチではなくてもっと凝った捻くれコントを作れるんじゃないかというような気がして、勝手に不完全燃焼です。
タモンズのことは特別にファンというわけではないのですが、面白いと思っているだけに、過剰に期待してしまう傾向が。
- トンファー(コント):ボクサー
このコントの時は山西さんが標準語仕様になっていて、それが崩れないのでつくづく器用だなぁと。
- 集計
トンファーはタモンズの女の子の気持ちのネタを。立ち位置は本来のトンファーの立ち位置のままで山西さんが安部さんを、小浜さんが大波さんを演じていました。
山西さんはネクタイをはずす安部さんスタイルでしたし、小浜さんはボロボロのTシャツ(切れ込み・汚れの書き込みあり)を身にまとって「カーテンでも巻きたい…(小浜)」と。
見た目もさることながら、完コピ具合がハンパではなくて。なんだったらそこに自分達の色でボケを追加するという徹底っぷり。どこまでもクソ真面目で素晴らしいです。
山西さんの安部さんなりきりっぷりが凄まじくて、よく見ているなぁと。そして小浜さんも大波さんの雰囲気を誇張して演じていて、仲良しっぷりが垣間見えました。
続いて、タモンズはトンファーのおでん屋のネタを。最初の「俺の屋台でおでん食ってけよ、メーン!」というラップ調のノリの部分を何度も何度も繰り返すタモンズ。
あ、こちらも立ち位置は普段のタモンズのままで、大波さんが小浜さんを安部さんが山西さんを演じていました。
キーワードだけを抑えた上でぐっだぐだにやりたい放題で、たまらず山西さんが何度もツッコミを入れていました。その様を見て山西さん素敵!と思ったのは言うまでもないです。
どちらのほうがよりモノマネ出来ていたかを拍手で問うことに。先ずトンファーを聞くと圧倒的多数が拍手。一応タモンズも聞いてみようということで問いかけると、一人も拍手をしない(笑)いやぁなんて言うかどこまでも真面目なトンファーとおふざけ色満載のタモンズ両極端だったので、そりゃ結果がこうなるよね、と。にしても漫才から受けるイメージと間逆だな、二組とも。
- 結果発表
自分は2本目のネタなんか圧倒的にトンファーが勝つだろうと思っていたので、そこの読みが外れた時点で好みによるんだと悟ったので、結果で悔しいとかなんとかはあまりなく。
でもこんなに差が開くとは思わなかったので少し寂しいですが…うーん。
次回こそは単独ライブ!と、その前に是非ともトークライブをやってほしいですね。
*1:幼稚系漫才と呼ばれる所以はそこでしょう