東京吉本若手漫才協会本公演「病院・病気」


ロシアンモンキーが筆頭となって活動している東京吉本若手漫才協会
ネタのテーマを絞った上で新ネタを作って披露することが目的となっており、テーマを決めるためのトークライブとネタを披露する本公演が交互に行われています。今回はテーマが「病気・病院」とのこと。
事前のトークライブには足を運んでいないので詳細は知らないのですが、神保町花月公式のライブレポートによるとナースのお仕事ボケは禁止…などの制約があったようです。

以下ネタの内容に多いに触れていく感想。
そんなに長い間見ていなかったわけではないですが(なんなら先週見ているはず)西島さんってこんなにおでこ広かったっけ…なんてことを思わされました。
出てくる有名人の名前から、その人の髪型を連想することが難しかったです。こういう自分の知識不足からなる置いてけぼり感は非常に悔しい。
  • オープンスペース:看護士
5番勝負ライブ頑張ったねご褒美で出演とのことですが、今後も出演するのかしら…。自分は漫才広場などで頻繁に見る顔ではありますが、漫才協会のお客さんの中にはオープンスペースのネタ見たことないなんて方もいるんじゃないかな。
だからツカミの「お待たせ」とかの反応が非常に新鮮な感じがしました。
  • 井下好井:手術うけたくない
有名人が来て手術受けるように促す〜というシーンをやってみるのですが、井下さんの演技がこれがひどくて(笑)おそらく本人たちが意図していない部分での笑いが起きてしまっていて(しかもかなりの大爆笑)「悪いのは俺らじゃなくて、そっち(お客さん)や!」と叱られてしまいました。あはは。
  • デスペラード:精神科
自分は多重人格なんだ…というサラミさん。そして様々な国の人になりきった人格が次々と出てくるというネタなのですが
面白くないわけじゃないんだけど、なんだかパンチに欠けるというか…そしてあんまり反応がよろしくなかったからか、どんどん内側を向いてしまう姿がなんとも居た堪れなかったです。 産婦人科というチョイスが独特というか、ちょっとマニアックなところのように感じていて、えんにちのあのキャラクターとどう絡ませてくるのかなーと思っていたのですが、割とキャラクター要素は薄めな内容でした。
  • ゆったり感:待合室
お互いのやりたいことの間をとっているかのように言っていたけれど、かなり中村さんの意見によせているよなーなんて細かいことを気にしながら見ました。
  • 天狗:美容整形外科
整形しなくても良いという意見から、したら良いよという意見に変わるタイミングを見逃してしまって、いつの間にこんな展開に?と思いました。
すごく面白かったです。いや、下ネタなんですけど。LLRの下ネタがとても好きなのです。薄すぎず濃すぎず。
最初の「ぶっとい注射」から最後の「イチゴ味の」まで思い返せば終始下ネタに徹していたなぁ、と。それで笑ってしまうのもどうなの、と思うのですが…。伊藤さんの偏見を制しておきながら、後々自分もかなりの偏見を持ち込んでくるところとか、ベタと言えばベタなのかもしれないけれど、その出し方が上手いから有無を言わさず笑わされてしまう。
もちろん下ネタ以外の部分の茶番じみた演技だとかもとても面白かったです。福田さんが演じる女性役がそもそも自分の好み(笑い的な意味で)なのかもしれません。

  • トンファー:脳外科
事前に香盤とテーマが発表された時に「脳外科」というテーマを見て「小浜さんがバカとかどうのこうの…?」と過ぎっておりまして、まさしくそういう入りだったのでものすごくガッカリしたのですが、そこは流石にトンファーでした私なんかが予想していた方向とは全然違う方向に進んでいき、結果的にものすごく面白かったです。
一瞬マイナスに転じていただけに、そこからのプラス方向への気持ちの高まりが凄まじかったです。
頭をパカっと割っているだけでも十分掴めない会話なのに、主軸であるはずの「脳外科」というものから離れていって戻ってこないやり取りが好きすぎました。山西さんがさも間違いを正すかのように(あの素晴らしいツッコミのトーンで)同じように軸から離れたことを話し始めるもんだから、見ている側は「えっ!?ちょっと!?」と拍子抜けを食らうような感じで。
ダブルボケ…と言っていいんでしょうか。でも超能力のネタのような攻防っぽい形とは違っていて、どこに行き着くのか分からないというワクワク感がたまらなかったです。いやーすごく面白かったー!
  • タモンズ:ナース
私は下ネタはとても好きなのですが、好みとしてはやっぱりLLRみたいな感じが好きでして、そう考えるとタモンズのそれは露骨すぎたかなぁと。
しかしながら、ナースに弄ばれる自身を妄想している安部さんが実に楽しそうで、それを見ているだけでとても愉快な気持ちになれました。面白いというのと可愛らしいというのとの間の感情。
オチ手前での安部さんの怒涛の反撃が凄まじかったなぁ。あれがウケるというのはタモンズの認知度が高いということなんでしょうね、すごい。 部屋を探していると言って「物件」として紹介するものが病室…というネタ。
常々言っていることかもしれませんが、囲碁将棋のネタは何と言うか「私はこれを面白いと理解できる」という意味の分からない優越感を味わうためには最高に良く出来ているネタだと思っていて、つまりそれはマニアックということなんですが
それをそこの知識を持ち合わせていない人に対してもなんとなく「面白いこと」だということに捉えさせるだけの力があって、実際自分なんかは根本の面白さは全然理解出来ていないけれどなんとなく面白い感じがするということで笑っていることがよくあって
でも今日のローカル線の話題は本当に分からなくて、でも周りはとってもよく笑っていてとても疎外感を感じました。関東出身の方には当然のように頭に入ってくる内容だったのでしょうか。
  • 若月:亮ちゃんの入院
なんだか今日は2人が良く似ていました(外見的な意味合いで)
内容はあんまり頭に残っていないのですが、すごく楽しげで良かったです。 ツカミでの元気一杯の様子から、一変して「体調が悪いんだよー」と演技をする斎藤さんが面白すぎました。なんだよ、あれは。面白すぎるよ。
割と一発ギャグの連発っぽいネタが多いイメージがあるので、最初「あと1つで願いが叶う」というフレーズもなんとなくしか聞いていなかったのですが、それがちゃんと後半に生きてきていて感激しました。そしてその願いの圧倒的なくだらなさが素晴らしすぎます。
  • ロシアンモンキー:生活習慣病
ご自身たちが「煙玉」なんて表現するぐらいだったので、特に記録しておきたいことはありません。 舞台の脇に置いてあるボード(セットと言えば良いの?)を倒してしまってからの「トラウマになりそうだよー!」とか、その後の動きをチラチラ後方を気にしつつ動き回る様子とか、あれだけのハプニングが起きたらネタをぐちゃっとさせてしまってもおかしくないぐらいなのに、それをもしっかり笑いとして吸収しちゃう野田くんが素敵でした。
「踊りが終わったよ」という要らない報告(というかそもそも踊りが要らない)とか、ハプニングどうのこうのではなくて、本来用意されていたネタもすごく面白かったです。前回の漫才協会でもマヂカルラブリーで苦しくなるぐらい笑った記憶が。 本日で最後の舞台となるヒダリウマ。最後は漫才ライブでということでこのライブの出演が決まったようなのですが、そういう配慮をしてもらえるだけ愛されていたコンビなんだなぁと思いつつも、もう辞めると言っている方に新ネタを作らせるというのはなかなか結構酷だよなぁと。
そしてこれがちゃんと面白かったもんだから、勿体無いよなぁという気持ちが押し寄せてきてなんとも言えない感情になりました。

オープニングでは、ロシモンがお得意の調子で各コンビのテーマを発表していたのですが、これがなかなか結構時間がかかっていて最初に出演者を呼び込まないようにした意味がないんじゃないの?というような様子だったのですが
それを見て井下さんが「ロシモンさんネタ弱いんちゃうん?」と言っていた、と福田さんが袖から声だけでチクっていて、是非とも井下さんが言っているのを自分の耳で聞きたかったものです。井下さん面白いなぁ。

エンディングでは、今度行われる先輩と後輩がコンビを組むというライブのコンビが発表されまして、ボーイフレンド宮川さんとコンビだと聞いたときの斎藤さんが「宮川英二です」のポーズで「100%ウケます」って言っていて、流石だなーと思いました。
恒例ではあるのですがエンディングがだらだらと非常に長くて、ああもう帰ってしまおうかな…と思った頃合で福田さんか斎藤さんが立ち上がりかけた腰を下ろしたくなるような面白いことをしてくれて、なんとか最後まで見ることが出来ました。結局ネタが面白い人が平場でも面白いということ…なのか、単純に私が2人を好きだというだけのことなのか…。

なんやかんやで次回も楽しみです。