ポイズン吉田が5人と漫才


吉田さんがなにやら面白いイベントを始めたようです。
5人ゲストを迎えて、それぞれと漫才をやるという内容。ネタは全て吉田さん作。
MCとしてアホマイルドの坂本さんが呼ばれていました「僕の専属MCなんで(吉田)」とのこと。
漫才(お笑い)がもっと音楽みたいに自由なものになっていい、と思っているらしく「コンビ名もバンドだしやるなら俺だろうな」ということで始めたらしいこのライブ。相方を入れ替えるというのは多分バンドを意識してのことなんだろうな、とは思っていたけれど、そんな意図があったとは思わなかった。
それぞれとネタをやり、直後感想などを軽く話す時間がありました。そこでは、普段のコンビでのネタ作りの方法なんかも話していて、面白かったです。
  • ブロードキャスト房野
「バンドに憧れている」というような話題から、バンドのコントに入る…というような漫才。割とありがちなテーマを基に、漫才コントに入っていくというのはポイズンではあまりないパターンで、逆にブロードキャストではよくあるパターンなので、「相手に合わせてネタを作ったんだな」と思いました。
吉田さんがボケで、房野さんがツッコミ。ちなみに立ち位置は房野さんが普段とは逆に立つという感じでした。
「俺ベースやるから」とか「ベースよりギターっぽいと自分でも思う」とか、吉田さんっぽいボケだなーと。
漫才の形そのものはすごくブロードキャストのものっぽいのに、ボケの方向が違うとこう見えるのかー!とすごく新鮮でした。

どうやらとても緊張していたらしい房野さん。吉田さんは「テンポを引っ張られないようにって思ってたのに、引っ張られてしまった」と言っていました。
今回ネタは完全に台本として出来上がったものを、それぞれに渡したそう。ちなみにポイズンのネタは台本に落とさず喋りながら作るんだとか。テーマを決めるのに一番時間がかかって、ネタそのものはあまり時間がかからない、と話していて、思ったとおりのような気がする一方で、それであんな展開のネタを作れるの!?と怖ろしくなりました。
ブロードキャストは、大枠を吉村さんが作ってきて房野さんと話ながらボケを選んでいく…というような感じなんだそう。これもまたすごく納得。
  • タモンズ安部
「出たいテレビ番組がある」というネタ。先のネタでは「相方に合わせてネタを書いたんだな」と思ったのに、こちらはタモンズを意識しているとは思えないような雰囲気で。もっと言ってしまえば、吉田さんはタモンズのネタというか安部さんのボケの方向とかを理解していないのかな?と思うような感じでした。意図的にそうしたのかな。
安部さんにハマりきっていないような雰囲気が、吉田さんと安部さんの距離感を映し出しているようでした。安部さんもすごく緊張していたのか、かなり危うい感じでネタが進んでいって見ているこちらがハラハラするような。
吉田さんはツッコミで、安部さんはボケ。

吉田さんは吉本に数多くいる「あべ」姓の仲でタモンズ安部さんが一番良い「あべ」だと思っているらしいのですが、それを聞いて安部さん「俺悪いあべですよー」と。
タモンズは2人で話ながら作るそうで、もめた時は安部さんが譲ることが多いんだそう。うーん、なんとも。
安部さんは今回の台本が3ページ分しか無いことがとても引っかかったようで「試されているのかな?」と感じ「アドリブ入れても良いですか?」と事前に聞いていたんだそう。実際いくつかアドリブを入れていたらしいのですが「その分とんだ」と(笑)
それを聞いて吉田さん「面白くないから入ってこなかったってことだろうから」とそれっぽいことを思いつきで言っていました。*1と言いつつも、普段阿部さんが覚えてこないと「覚えろよっ!!!」とイライラするそう。すごく目に浮かぶ(笑)
  • カナリアボン
2人の思い出話?みたいなネタ。
事前に誰とやるときはボケ・ツッコミ、ということを話していたのですが「ボンちゃんとはじゃれあってるだけ(吉田)」と言っていたとおり、じゃれあっていました。
一応ダブルボケ…なのかな?ノリツッコミが延々続き、後半はお手紙を読むというネタ。
「ずっとノリツッコミが続くネタでも良かったんだけど、さすがにそれは気狂うと思って(吉田)」
「ボンちゃん」というのを「ボソちゃん」と書き間違えている、というていで何度も「ボソちゃん」と読んでしまい「目でとらえた方を言っちゃう」と言い訳していたのが面白かったです。 個人的にはこのネタが一番好きでした。吉田さんがボケで、宮地さんがツッコミ。
休日の過ごし方が分からないという宮地さん、ちなみに普段は散歩をしている…という会話から「宮地さんみたいに飼い主がいると〜」とか「お気に入りの電信柱がないから〜」とか延々宮地さんを犬扱いする吉田さん。
中盤までずっと「犬だと思っている」ということを「犬」という単語を使わずに表現する感じがすごく好きでした。そして、あっ犬ってハッキリ言った!と思ったら、そこから次はメスだと思っているという事実が発覚して…という流れが素晴らしいな!と。
やっていること、というかボケのパターンだとかループ感だとかはものすごくポイズンのネタっぽいのに、全くもってポイズンっぽく見えないのはひとえに宮地さんのツッコミのおかげ。
自由に動きまわってツッコむ宮地さん、本人曰く「ミュージカル風」とのこと。
ツッコミワードは全て宮地さんが考えていたそうです。宮地さんはこのオファーが来た時に「吉田は俺のことをツッコミとして認識してくれてる!」ということが嬉しかったんだとか。いやいやいや。
オリンピックで注目しているのは?というネタ。終始吉田さんをイジりたおす川島さん。
終わった瞬間「いやーすごい!」と吉田さんが漏らしていたので、どうやら川島さんが相当膨らませていた様子。川島さんがものすごく漫才が上手なんだということが嫌というくらい分かりました。すごかった。
吉田さんから台本を渡された時に、あまりにも卑屈っぽい内容だったので「一体どう思われているんだろう…」と不安になったそう。吉田さんとしては「お兄ちゃんが弟をいじる」というイメージだったらしいのですが…。
川島さんとしては、もうちょっと普通のテンションでやるつもりだったけれど、直前の宮地さんが大分場を荒らしていたので1.5倍でやらなきゃと思い、テンション高めだったそう。



オープニングでは、今回のライブ次第で今後続けるかどうかが決まるというように仰っていたのですが、今後もやっていきたいという結論に。実際とても楽しかったので是非とも続けていってほしい!ネタを書く吉田さんは大変かもしれませんが…。
なんとなくですが、後輩にあたる2人は「吉田さんが書いた台本」という部分を意識しすぎて、本来の自分の芸(?)みたいな部分を失っていたのかなーと。宮地さん、川島さんは台本を基に完全に自分達のものにしていたので、芸歴の差みたいなものを感じました。勿論吉田さんの意識の違いもあったんでしょうけど。

*1:あまりに客席が感心しちゃったので「今思っただけですよ」と自ら仰っていました