THE MANZAI2011


今更感がありますが、THE MANZAIについて。
やっぱり、と言って良いんでしょうかパンクブーブーが優勝ということで
個人的には、パンクブーブーというコンビについてはその実力たるやというのを身をもって体感しておりますので、2010年のM-1でネタ選びという点で失敗(失敗という言い方はしたくないですが)して、M-1ファナリストという大切な一枠を!みたいなところでお笑いファンから憎まれる存在になっているということが、ただただ辛くて
2009年のNON STYLEも同じ傾向にあったわけですけども
だからもう喜びもひとしおに!嬉しい限りです。本当にただただ面白い。
M-1という大会とどうしても比較してしまって、始まる前は「あんまり楽しみじゃないかも」なんて思っていたのですが、放送を見てただただ楽しくて来年もあってほしいなぁと素直に思いました。
M-1の中にあったガチガチの本気感で満たされたあの雰囲気もまた、それはそれで魅力的だったけれども
一貫して「バラエティ番組」というものに収めてくれたフジテレビの素晴らしさ!
要所要所の「何これ?」っていう演出が良い感じに肩の力が抜けていて、そりゃぁお笑いファンとしてはネタだけを純粋にギュギュっと見せてくれ!と思わないわけではないけれど
こういう形のほうが、なんとなくテレビを点けた人がなんとなく目を向けて、そして興味を持ってくれるんじゃないかなって思いました。
素敵な番組でした。願わくば、自分の好きな芸人さんがあの場にいてほしいものです。

各コンビ感想なんかを。

  • 囲碁将棋:ネタサボったら罰金
紹介VTRで「唯一無二の漫才スタイル〜」と言われているんですね。気づかなかった。
囲碁将棋にとって、こういう場で見せるために選ぶネタがこれなんですね。
良いネタですよね、囲碁将棋のネタはどれも多分良いネタなんですけど(笑)
文田さんの手法を真似ようとして、失敗して、逆にハメられるっていう根建さんの魅力たるや。
なんとなく、なんとなくですが、こうかなり上手い!っていう感じのものはテレビを通すとその魅力(笑いの威力みたいなもの)は失われてしまうのかなーと。後の学天即にも同じことを思いました。
「お前がゴスペラーズのマックス決めんなよ!」
このTHE MANZAI関連でしかネタを拝見したことがないのですが
ものすごく「漫才!」って感じで、毒を放り込んで放りこんで。
「ブスで毒舌」というキャラクターが評価されていましたが、これは本当に美人な人が言っていたらただただイヤミにしかならないわけで、ブスが言ってるからネタとして成立するわけで
とても分かりやすく面白くて良いなーと思いながら見ていました。好みかどうかはさておき。
「ちょっとしゃくれてない?」
  • ナイツ:カラオケ
言い間違いというベースは一定しているのに、何度見てもどのネタも面白いっていうのがすごいなぁと思います。
どう展開していくのかが読めないというか、見ていて進んでいくにつれて「あっ、こうなるのか!」って分かったときのあのやられた感と、そのフリ→オチという形の美しさたるや!
早く早く次の展開を見たいって気持ちにさせられるのが、漫才を見てるときの楽しみですよね。ナイツはそこを的確に刺激してくれて、漫才師としてもう一個抜けているなーと思います。
  • 磁石:反抗期の息子
要所要所に盛り込まれてるメタ要素がなんとも。
一個一個の、耳に入ってくるフレーズとかは面白くてププってなるんですけど、いかんせんナイツのような構成まで作りこまれた漫才の後に見るとツギハギ感が気になるというか。
もちろん、そこを最後の「〜って話はどこいったんだよ!」っていうやり取りのなかで収めているんですけど。
NON STYLEがM-1優勝した時にやったネタっていうのは、過去のネタの良いところを寄せ集めて作り上げたネタで、そういう「傑作選」みたいなのを持ってきた場合は、その年に優勝する意外に方法は無いんだと思います。ノンスタは勝つつもりであのネタを作って、そして優勝したんですけど。
磁石のことを追っかけているわけではないので勝手な推測ですけども、磁石のこのネタは多分これまでのネタの良いところを寄せ集めてあるんじゃないかなーと思うんですよね。だから、磁石は今年グっと(優勝はともかく、せめて最終決戦には)いっておきたかったと思うんですよね。来年以降どうなっていくんでしょう、楽しみ。

  • Hi-Hi:引越し
こちらのコンビもまた、THE MANZAI関連でしか拝見したことがなかったのですが。
素晴らしいテキトー感。でも次にどんな言葉が出てくるのかが気になってしまうという不思議な魅力。
ワラテン投票が入ったのも頷けます。聞き流して見ていられないというか、見入っちゃうし笑っちゃう。
「そもそも!俺子供産める体じゃないんだよ!」「…なんかゴメンな」 語弊があるかもしれませんが、関西の!関西の漫才!って感じ!
「ちょっとね、辞めかけたコンビ続きますけどね」←これをね、これを最初に言えるんですよ!?賞レースで!
もちろん、番組全体の雰囲気ありきでのことでしょうけど、素敵!と思ってしまいます。
そしてそして、浜本さんの表情!この舞台仕様と言わんばかりの表情!
コテコテだし、ベタベタだし、とにかくしつこい(笑)そこ省いてよくない?って思うんだけど3回目・4回目でもうあのメロディさえ可笑しくなっちゃうっていう。
分かりやすく楽しい漫才って感じですよね。見ていて「何か面白いことをやっている」っていうのが一目で分かるっていう。多分生で見たらもっともっと面白い。
「これどっちが女なん?」
テンダラーが舞台で見て楽しい漫才ならば、スリムクラブはテレビで見るのに適した漫才だなーと。
いや、もうカメラワークが素晴らしいです!
何と言ってもフレーズ力。真栄田さんは大喜利がとても面白いんですけど、その言葉の使い方がすごく良いなぁと思います。声とか、喋り方とか、あのトーンとぴったり合う言葉を選べているという。
M-1でのあのネタはコントを漫才に落とこんだって感じでしたが、これは漫才をする前提で作ったんだろうなーって感じがしました。どうなんでしょう。そういうわけでもないのかな。
「その資格のつもりでお話しています」
ハマカーンとても好きです。
「下衆の極み!」というフレーズが、浸透しているのか浸透していないのか微妙なところだなーと私は思っているんですが、4分間の中で理解させきって神田さんが雑にマネをするというところまで盛り込むというのがスゴイな、と。
初めて彼らを見た人はもちろん、彼らをレッドカーペットかなんかで見ていて軽く認識できている人が見て、このネタはどううつったんだろうなーということが気になります。なんとなく、そこに得票結果の理由があるような気がするのです。
このパターンのネタをする前からすごく面白くて好きだったので、なんとか評価されてテレビスターになってほしいなーと思います。
レンゲの形態模写が素晴らしいです。面白かったなぁ。

サーキットで見てとても面白かったので、とても期待しながら見ました。ツッコミの方が良いですね。
サーキットの時と比べると、なんだろうか、この他の決勝進出者と並んでしまうと新しいすぎるというか、舞台寄りすぎるというか、テレビの規模じゃなかったのかな?という印象を受けました。面白いは面白いですし、すっごくよく出来ててワクワクさせられるんですが、気を張ってみていないとその面白さを100%感じることは出来ないんだろうな、と。
もっと他のネタも見てみたい!と素直に思いました。関西の芸人さんを知る機会って少ないので、東京の漫才シーンを応援していて彼らを知らなかった方は、同じように気になるようになったんじゃないでしょうか。
どうやら四条さんはクセのある方のようなので、注目です。
「ほんなら、とっておき言うわ」「なんでとっておいたんや?」
もう、素晴らしすぎます。
この舞台感…センターマイクを離れて袖に話しかけるなんてことを、賞レースで見ることが出来るとは。
テレビでも活躍していて、その面白さは皆が認めるとことで、明らかに芸歴が飛びぬけていて、賞レースに出る意味あるの?って思ってしまいますが、こういう方がいるっていうことが賞レースが賞レースとして価値を持つんだろうと思います。
「スピーチとスカートは短いほうがいい!と申しますが」

実は、彼らのコントってあまり見たことが無いのです。
だから「コント師」ということは知っていてもコントのイメージもついていなくて、初めて見たネタがM-1予選でやっていた漫才で、まさしくこのネタだったのです。
漫才?漫才なの?と疑問を持ってしまいそうになりますが、だからってコントになるような内容でもなく。漫才師の方だと辿りつかないだろうネタだなーと思います。これを漫才を評価するっていうところが、THE MANZAIという大会の良いところですよね。M-1だと切り落とされているであろう漫才。
他のコンビが(特に前後が)ちゃんと「漫才」をやりきっているからこそ、こういう漫才がより面白く感じるという。
歌ってみたくなっちゃうんですよね、それが全てだと思います。マネしたくなる魅力。
絶対不利なはずなんです。
2009年、2010年と、M-1という場でネタを披露していますし、他のコンビと比べればやっぱりネタを見せている機会が多いはずで、それは認知されているという点では有利なのかもしれないですけど、他のコンビはこれまで暖めてきた一番良いネタを持って来ている中で、彼らは2009年・2010年のM-1で見せたネタというのは選択できないわけですから。
それでの、この漫才の出来っていうのは彼らが本当に漫才師として優れているということを表していると思います。
ハイヒールとリバーシブルの回収の仕方とか、すごく上手で、丁寧に作れていて、見れば見る程うっとりしてしまいます。すごく良いネタ。好きです。
「もう明らかに俺が履いてるハイヒールとは別のハイヒールの音が」

もう…なんともくだらない、くだらないよー!(誉めています!)
もう何がどうなって、このセリフが出てきてるのか全然分かんないというか、考えている暇もないぐらいの勢いで次々言葉が出てきて、なんだかよく分からないけれど笑っちゃうという。いやーもう本当にくだらないよ!
  • 千鳥:旅館の予約
もう、大好きです。千鳥大好きです。
丸太芸人の真骨頂というか、もう同じボケを何度繰り返すんだ!っていう。
この電話のネタ、後でやる蒸しアナゴのネタもですが、電話口の人が自分語りを始めるところがとても好きです。そして、年齢を伺ってみればなかなかのお歳でいらっしゃって。ご老人の方が事務的な電話の中で聞いてもないのに、自分語りを始めるあの感じが!もーう、そこを拡げるか!っていう楽しさ。
「白平ジョークでございます!」
「しかしながら、ひきおわったときには「わたし」になっておりました」
ウーマンラシュアワーも好きです。
私はきっとワラテン投票はウーマンが取るだろうなーと思っていたんですが、意外と伸びず。
でも見たときのインパクトというか、あと「大丈夫〜!?」っていいたくなりますよね、あの感じ。人気出るといいな。
バイトリーダーをかっこいいと言いつつも、そのこと自体がひとつもうボケとして成立しているという、「〜なバイトリーダーです」の部分にバイトリーダーへの偏見というかバカにした感じが詰め込まれていて、でも村本さんが演じているバイトリーダー自身は本当にそれをカッコイイと思っているという感じがもう、もう。
2本目はどんなネタをやるつもりだったんでしょうか。
岡村さんに指摘されていたお笑いファンの中ではもう完全にネタバレしているということ。それは不利なのかもしれないし、有利なのかもしれないし、どう受け取れば良いのか分からないですね。
「しっかりしろ、正解は月末の棚卸しだ。GO!」
  • 銀シャリ:犬のおまわりさん
ワイルドカード枠って必要でしたかね?発表のタイミングとか、そこからのネタまでの間とか、こういう感じに扱うならばワイルドカード枠なんてせずにストレートで16組選んで良かったんじゃないかなって思います。
橋本さんが自身で「4分間のシンデレラボーイ」と仰っていましたが。
予選24位…ですか。なのに、なのにと言ったら失礼でしょうか、ものすごく安心して見れるとても上手い漫才でした。
橋本さんのツッコミは相変わらず素晴らしいですね!
ちょっと気になってしまうのは、鰻さんが間違えて覚えている歌を歌う→橋本さんツッコむ→鰻さん正しい歌詞を覚えて先に進む という展開の中で、正しい歌詞を提示するのが橋本さんじゃなくて鰻さんが自身で「あ、○○やな?」と言うんですよね。なんとなくそれって不自然じゃない?と思ってしまうのですが、そんなこと気にするのは漫才好きぐらいなんでしょうか…。
「気持ち出すぎ出すぎ!喋りすぎ、喋りすぎ!」


  • Hi-Hi:ギター
気持ちよいぐらいのテキトー感ですね。
この日を境に注目度があがったようで、今後テレビで沢山見るようになるのかなー。
ネタ以上に、個々人の人間的な魅力まで伝わっていったようで、それは優勝することよりもよっぽど価値があるんじゃないかな、と思いますし、そういうネタを出来たということが彼らの実力なんだろうな、と思います。
ずっと見てきた方はもう涙ものだったんだろうな。
  • ナイツ:ドラマ
アドリブを放り込んできたみたいですね。
お笑いファンではない方から、「ナイツがあれを言ったのはすごい!」と絶賛の言葉を(私に)頂きましたが、うーん、まぁ確かにその勇気というか芸人としての気持ちは素敵!と思うのですが、だからってそれが評価対象にはならないよね、っていう。
ナイツの漫才は面白いです、優勝しても良かったと思います、でもその決定打があのアドリブの部分とされるのは違うと思います。とムキになってしまうのは、それを言ってきた方がパンクブーブーの優勝についてかなり強めの批判をしていたからなのですが(苦笑)
その場で言い返せなかったので、ブログで愚痴っているという感じです。
一本目のネタと比べると、構成的な美しさっていうか「うわうわ、こうなるのかー!」「あれもフリだったのかー!」みたいな部分が少なくて、そこが敗因なのかな、と思います。自分達の一本目のネタを超えられていないという。期待値があがりすぎてしまった、という。
16本+4本の計20本の中で一番良いネタを選ぶんだったら、ナイツの一本目なんじゃないでしょうか。2本やるっていうのは、難しいですね。改めて。
自分が勝手にやるだろうな、と思っていたネタをやることはなく。
パンクブーブーのことが特別好きなわけではないんですけど、でも良いなって思うネタがいくつもあって、そういうネタをやってウケているのを見るのはやっぱり嬉しいです。
気がついたら黒瀬さんが異常にヒートアップしていて、うるさいぐらいにツッコミの声を張り上げていて、もしかしたらこういうネタを毛嫌いする人もいるかもしれないなーと思います。勢いで無理矢理笑わされているかのような感覚に陥ってしまうので。
  • 千鳥:深夜通販
このネタがすごく好きです。良いネタ。
電話という距離感だからこそのやり取りですよね。でもって、そういう設定だからこそ表情とかじゃなくてただただ言葉のやり取りだけで笑えるという、これこそ漫才の真骨頂なんじゃないでしょうか。
通販の電話という、マニュアル化されている電話だからこその「商品番号を〜」というやりとりを挟んでいて、そこで食い違いが生じるという。間違えているのは電話をかけているノブさんなのか、それとも電話口のオペレーターなのか。どうやったらゴルフクラブに辿りつけるのか。
お客様であるノブさんがかなり怒っているのにも関わらず、マイペースに喋りつづける岸元さんは鈍感なのか、それとも電話応対に慣れてしまっているからこそのあれなのか。
ものすごくくだらなくてどこまでも丸太芸なんですけど、矛盾が生じていないところが良いなぁと思います。



本筋とは関係ないですが、嬉しそうに笑いながら見ている爆笑問題の2人が素敵でした。



おかっちm.cの打ち上げの様子から、ちょっと気になった部分だけ記録。
東京での仕事が増えるんじゃないか!?と言われ千鳥
「東京の関係者の皆さん、スタジオ1万2千円、ロケ8千円から行きます!(ノブ)」
スタッフ一同から拍手が巻き起こるスタジオ。相場が分かりません!
吉本の社長がグリーン車で良いって言ってるらしい、という情報が入り沸き立つ会場ですが
「M-1チャンピオンでグリーンじゃなかったの、唯一我々だけです(黒瀬)」

ワイルドカード芸人にも感想を聞いていく中で
さらば青春の光
「ほんとなんか遠足みたいな感じで(森田)」
スーパーマラドーナ
「なんでむっちゃ俺の顔みてたん?(矢部)」「かっかっかっこいいって(思って)(田中)」
「もうほんま、会えただけで幸せです(田中)」

本番が終わってからも、またこうやって打ち上げ風景まで放送してくれてフジテレビに感謝!すごく素敵な番組です。今後も続いていきますように。