うしろシティ×恋愛小説家 ツーステ
新宿角座にて、月例ライブとして行われている「甘噛部屋」にて上位2組に2度なったご褒美として行われいてるこの「ツーステ」ライブ。40分ずつ(?)を2組が。
甘噛部屋で恋愛小説家(の西野さん)と出会って以来、毎月角座に足を運んでいるわけですが、何分月に1度ではなかなか満たされない!という私の欲求を満たすかのように、このライブが決まって揚々と行ってきたわけです。
欲求は満たされるどころか深まるばかり…といった感じですが(笑)東京にいるうしろシティについても、(普段自分が吉本のライブにしか行かないので)恋愛小説家とほぼ同じぐらいしか見たことがなかったために、両コンビとも沢山のネタを見れて、それぞれのコンビの色…というか雰囲気…というかなんとなく掴めてきたような気がします。
ネタメモと、ネタバレ含む感想と。
恋愛小説家の比重が重め。
○恋愛小説家○
- 嘘発見器
「俺はやってない(大蜘蛛)」という言葉に反応する嘘発見器、そして「これは嘘発見器や(西野)」という言葉にも反応する嘘発見器。この機械は何…?というような。
嘘発見器に翻弄されて、よく分かんない方向に進んでいってしまう西野さんの様がなんとも可笑しかったです。
違和感なく受け入れていたけれど、西野さんがツッコミツッコミしていないネタ(むしろボケに見えるぐらい)というのは実は初めて見たかもしれません。
「あなごです」
「ギリ生きてたー!」
「もう嘘発見器じゃない、でいいじゃないですか」
- 4コマ劇場(透視眼鏡)
透視眼鏡で大蜘蛛さんを見ると胸元に…*1
- 多重人格
どんどんどんどん色んな人格が現れて、人格の中で複雑な人間関係が組み込まれていく。
1本目のネタもですが、かなりくだらないやり取りの中で、すごく丁寧に作られていて「ああ!素敵…!」と思いながら見ていました。頭の中で相関図を作り上げちゃう前にぽんぽんぽんと次のキャラクターが出てきて、だからこそ人間関係の複雑さがより複雑なものに感じられて、そして面白さ倍増!みたいな。
ただ多重人格の治療って本当にあんなに自由自在に人格を引き出せるのかしら?という疑問もありつつ。
「今のところ、あなたは誰にも好かれていません!」
「くりす ますおです」
- コンビニ
ああ、このネタとても好きな感じでした。全然取り合わない西野さんが…!ちょっとこの人気がどうかしちゃってるんじゃないの、というぐらい淡々とマニュアルに則って仕事をしているのが、多分普通にいたら怖いんですけど可笑しいっていう。
そうか、このネタも西野さんがツッコミツッコミしていないんですね。うーん、やはりツッコミがハッキリしていないネタが好きなのかな…(西野さんのツッコミは大好きなんですが…!)
「おじいちゃん、って言ってるじゃない」
「次回は必ず持ってきてくださいって言いましたよね?」「次回もう来たの?」
「成人雑誌は18歳以上じゃないとお売りできませんので」
「それどころじゃないよ…!」
「豚まんはありません」
- 4コマ劇場(打ち合わせ)
- 美術館
ヤンキー(大蜘蛛さん)が絵画を見て更生する…というようなネタ。
「それは絵を見ただけでは得られない情報やろ」
「努力賞で3000円」
「写真見てるほうがええわ」「それ一番言われたくないやつ」
「こんな素晴らしい絵の前でボタン開けっ放し」
- 4コマ劇場(特技)
- 伝染病
以前見た魚屋のネタもそうですが、しょうもないことを「しょうもないこと」として見せることで「面白い」と思わせる…という感じなのですが、ボケそのものの破壊力はあまりないので、その分台本の美しさが目立ってしまって単純な「可笑しい!面白い!」には敵わないような気がするのですが…うーん。
そしてオチまでいかないとその美しさにも気づかないという…。とは言いつつオチの一言で「うわー!」となったのですが。恋愛小説家のネタをいくつか見てきて「これはオチが先に出来たんだろうな」と思うようなネタがちらほらあるのですが、このネタはまさしくそう思うネタでした。その前のフリが長ければ長いほどオチが効いてくるわけで。
そしてこういう感じのネタを見ちゃうと「漫才を見てみたーーーい!」と思うのです。
- 4コマ劇場(モザイク)
- 指揮者
散々色々と無茶ブリをした上で、最後は「この次はうしろシティ」と出して終わり…という。
これは多分最後の「この次はうしろシティ」というのをやりたかったからのネタ選びなんだろうなーと。
角座は客席に勾配がついているので、舞台を見下ろす形になるんですが、そうなると次に出す予定のカンペが丸見えになってしまっていて勿体無かったです。吉本の無限大ホールもそうですが、客席のほうが高い位置にある劇場っていうのはなかなか扱いが難しいですね。
○うしろシティ○
- 高校初日
金子さんがどこまでもベタ、ベタ、ベタなキャラクター。
うしろシティはストーリー性の強いコントをやる、というイメージだったので、ちょっと驚きました。
「金子という名前を受けてからの、『じゃあ』チャーハン」
- 4コマ劇場(対談)
- 卒業式
金子さんの襟が変な感じになっているのが気になって気になって…(笑)
- アクビ
このネタはちょっと好きかも!と思ったのですが、あっと言う間に終わっちゃったので、あまりイチオシのネタじゃないのかな…?
もっともっとエスカレートしてグチャグチャになるとこまで期待したので、少し残念でした。そんな力技っぽいことはしない、ということなのかな。
- 4コマ劇場(探偵)
- がんばっていかなきゃいけない
- 4コマ劇場(対談)
- 暗殺
- 4コマ劇場(心霊写真)
- 取り調べ本部
ああ、こういうの!こういうのを見たかったんです!うしろシティってこんな感じですよね!と思いました。
なんとも言えない、これって笑っちゃかわいそう…でも笑いたくなる…という人間模様。
ここまであまりにも自分の中でのうしろシティ像と違うネタが続いていたので、ちょっと不安だったのですがとても安心しました。こういうネタが好きです。
「俺のはどことも安くないから」
○コーナー○
- 新しい言葉
お題:「恫喝」
「恫喝」という言葉がピンとこない大蜘蛛さん「ネタ終わった後に西野にされてるやつだよ(阿諏訪)」「あー怖いやつね!(大蜘蛛)」*2
関西では「シバく」とか「イテこます」とかがある。「それってどう違うの?」といううしろシティの質問に対し「シバいてもいうこときかんやつをイテこますんです(西野)」
お題:「女性の誉め言葉」
阿諏訪さんがね、下ネタを放りこんできましたよね。
どちらのお題にしても、大蜘蛛さんの自由(と表現するとあまりにも良い響きすぎる)でのびのびした様子を味わえました。ちょこちょこ西野さんにお伺いをたてるような振る舞いが見てとれたのは気のせいでしょうか…。
書いてみて分かったのですが、うしろシティはコントの中でのフレーズの面白さみたいな部分には少し弱い…んですかね。恋愛小説家目当で見に行ってるから、ということで響きが違うのは当然あるんでしょうけど、それにしても書き起こしたくなるフレーズが少ない…というか。それはつまり、彼らがもっとコント全体の構成だとか云々での面白さという部分に長けているということでもあるんでしょうけど、先に書いたようにストーリー性のあるネタをやるコンビという固定概念に捉われすぎて、上手く受け取りきれなかったのが残念です。やっと個々のキャラクターを掴めてきたのに。
そしてやはり少しハードルを上げて見ちゃうんですよね、評判が良いばかりに。
そして、うしろシティと並べると恋愛小説家はフレーズ力が強いんだなーと。*3
なんとなく、これまで見てきた彼らのネタはボケ・ツッコミの役割がハッキリしていて…それは私個人としてはあまり好きではないはずのコントの形だったので*4、一体どこに惹かれているのかしら?と疑問だったのですが、フレーズに惹かれているんだなーと。ことばえらび、と言うでしょうか。まぁそもそも関西弁が好きなのでね(笑)
それが、西野さんがツッコミではないネタを見れたことで、すごくよく見てとれた…ように思います。そしてうしろシティと並べて見たことも、また。
今月は甘噛部屋もありますので、非常に楽しみ!是非ともまた2勝してツーステライブをゲットしてほしいものです!