ちょっと気になる芸人さん「恋愛小説家」


以前「黒蟻」というコンビが気になる!と書きましたが、またまた気になる芸人さんが。
「恋愛小説家」というコンビです。
大阪松竹所属の、コント師さん。ボケの大蜘蛛さんと、ツッコミの西野さんからなるコンビ。

大阪松竹所属の芸人さんということで、東京で見る機会がかなり少ないということと
彼らもまたインターネット上での情報が少ないということで、またもや「書かなきゃ!」という気持ちにさせられ、書き始めています。
前回同様、自分自身のためのメモというような部分が大きいため、既にどっぷりファンという方が見たら見当違いなこともあるかと思いますが、多目にみていただけると有り難いです。
ネタバレ含みますので、お気をつけください!
松竹の劇場(新宿角座)が出来たので1度は行っておこうと思い行ってみたのが「甘噛部屋」というライブ。
このライブを選んだのは単純に知っている名前が一番多かったからです。この時点で、恋愛小説家のことは名前だけは存じ上げておりました。「見てみたいなー」とは思っていたのですが、どんな方なのか、コントをやるのか・漫才をやるのか・なども全くしらず。
その日のtwitterでは
その翌月も甘噛部屋に足を運び、その時は
たった2回のライブで、すっかり西野さんのツッコミスキルに惚れこんでしまいまして、twitterでは西野さんだけフォローし、googleリーダーには西野さんのブログだけ登録するという偏愛っぷりを見せております。
基本的にはネタに惚れこむタイプでして、しかもそれは漫才であることが常なのですが…恋愛小説家はコント師!そしてネタよりもコーナーでの振舞いが好き!というようなこれまでに類を見ない感じで心奪われつつあります。
とか思っていたのですが、8月の甘噛部屋の翌日に行われたライブにも出演するということで「西野さんが面白いこと言う瞬間を逃したくない!」と思い見に行ったのですが、そこで見たネタが非常に面白くて。今年見たコントの中で、しずるのコントを除けば一番面白かったんじゃないかと言うぐらい笑いまして。ネタまで好きになりそう、です。

そんなわけで、改めてこれまで見た4本のネタを振り返ってみよう!と思い立ち、せっかくならばブログに残そう!と考えたわけです。
  • 6/29 甘噛部屋「娘さんをください」
大蜘蛛さん演じる部下が、西野さん演じる課長(上司)に「娘さんをください」とお願いしている場面から始まり、「娘はやれん」と返されても懇願する大蜘蛛さんに対し、西野さんが返す言葉が「何回言うたら分かるんや、俺に娘はおらん」と。どれだけ説明しても「娘さんをください」と続けるし、分かったのかと思えば「じゃあ養子にしてください」などと言ってくるし、埒が明かない。
そこで、大蜘蛛さんの携帯電話が鳴る。電話での会話を聞いていると、大蜘蛛さんが言ってる言葉が先程西野さんが言ってた言葉と一緒という…。大蜘蛛さんも電話の向こう側の人に、存在しない娘をくれと頼まれているようで、「だったら俺の気持ち分かるやろ!」と。

私が一番好きなコント師は多分しずるでして、次に犬の心とかラバーガールが名を連ねるのかなーと思いますが、この3組を見て分かるようにあんまりハッキリしたツッコミのあるコントは好きではありません。コントの中にツッコミが存在すると「いや、この場面でこんなこと言わないでしょ」と思ってしまうのです。初対面であろう人の頭を殴ったりだとか、「バカだろ!」と罵ったりだとか、現実には有り得ないと思ってしまうとネタに入り込めないのです。
そこで恋愛小説家、彼らのコントは割とツッコミがハッキリしています。ただ、何故かツッコミがあっても違和感が無いのです。これはとても不思議。関西弁というのが作用しているのかもしれませんが、西野さんの演じるキャラクターは実際にツッコミを入れそうな人なんです。と言うか、西野さんという人物がツッコミ気質な方だから、ネタでの演技も違和感無く受け入れられるのだと思います。
これは多分、初めてネタを見る前にコントのキャラクターではなく「恋愛小説家西野」の状態での振舞いを見ていたから、というのことが大きいです。最初にネタから入っていたら、多分あまり響かなかったんじゃないかな。
  • 7/20 甘噛部屋「路上アンケート」
アンケートお願いできますか?と声をかける西野さんと、「これ怪しいアンケートじゃないですか?」と疑いつつもアンケートを受ける大蜘蛛さんのやりとり。
とてもキレイなネタだなぁと思いました。6月に見たネタもそうですが面白いに加えて上手いが存在するネタを作るんだなぁ、と。凝っているというか、丁寧に作られているというか。
西野さんが質問者・大蜘蛛さんが回答者という関係のはずなのに「怪しくないですか?」「怪しくないですよ」というやりとりを挟みながらいつの間にか立場が逆になっていく…というのを繰り返していきます。その先にあるのは、実は大蜘蛛さんは悪質商法を取り締まっている警察官でわざとアンケートに応じた…という展開なのですが、西野さんがそれに気づいて「しまったー!」となる…という流れで十分オチとして成立しているのに、そこで終わらさずに「と思いきや、一般人だった」という事実が発覚して「何が目的やねん!」でオチるという。
この、オチの持っていき方が非常に好きです。きっと、ひとつまえの部分でオトしたほうが見た後の感動…というか「おおー!(感嘆の声)」という要素は大きくて「キレイ」という印象が強く残るはずです。実際「ボケキャラが実は…」という見せ方で終わるコントって多数あると思います。けれど、そうじゃなくて「ボケキャラはボケキャラ」で貫くあたりが良いなーと。どういう意図があるのかは分かりませんし、他のネタも同じように作っているのかは分からないですが、「上手い」という部分で終わらせないのが、芸人している感じで良いな、と思ったのです。
  • 8/29 甘噛部屋「客引き」
西野さん演じる魚屋さんの客引き(「はい、3百万円!」とかそういうやつ)に対して「おもんない!」と野次を入れる大蜘蛛さん…というもの。*1
ダジャレを言って、それを「おもんない!」としつこく指摘する…というやりとりの繰り返しなので、大きな笑いを作るのは難しいのかなー*2と思わされるネタでしたが、過去見た2本のネタよりツッコミフレーズが印象的なものでした。
野次ばっかりの大蜘蛛さんに「買わないなら帰れ」と言ったら「サンマ1匹」と言われて「いや、買うんかい」というやり取りがあって、その後大蜘蛛さんは西野さんの怒りがピークに近づくと「サンマ2匹!」とか追加で魚を買うことに対しての「魚買ったら悪口言うていいシステムないよ」というツッコミとか
「ガ○ョーンよりつまらん」と言われて「ガ○ョーンよりはおもろいわ!」「あんなの何も生まへん!」というツッコミとか。*3
そして、こういうネタを見るとなんだか漫才も見てみたいなーと思わされます。絶対面白いと思う。
  • 8/30 K-PROプレミアムLIVE「更正」
タイトルが難しいのですが
大蜘蛛さん演じる登校拒否気味のヤンキーが美術館への課外授業に出席し、そこで見た絵画に感動するというネタでした。
このネタがとてもとても面白かった!いやー面白かった。
ヤンキーで「絵画なんて(ペッ)」って感じのキャラクターなのに、1枚目から号泣するぐらい感動し「この色のタッチから1800年代の〜」とか「対象をぼかして描くことで、より伝えたいものをハッキリ〜」だとかやけにそれっぽいことを言い始めるという。そのくせ、一般の方が書いた絵を見て「こんなもんキレイに写生しただけで何も心に響いてこん」とか「写真見てるほうがええわ」とかボロクソ。
この極端な変わり方とか、「えええ!」と思わされる批評の言葉とか、それに対する西野さんの反応とか。終始笑いっぱなしでした。オチが、ちょっとよめちゃったかなーと思う部分もありますが、とても面白かった!これによりファンを名乗り始めてしまいそうです…。

と、ここまで書いて気づきましたが、彼らのコントは明らかにツッコミを置いているけれど「笑いのポイント」としているのはそのツッコミや、ツッコミがかかってくるボケのようにいくつかのフレーズではなく、あくまでも「2人のやりとり」という部分なんですね。だからツッコミが違和感なく入ってくるのかもしれません。
とは言え、8/30のネタなんかはボケフレーズがハッキリしていますし(その分ツッコミツッコミしてなかったけれど)その他の3ネタと比較すると台本の美しさみたいな部分が削がれていて、分かりやすく面白いんですよね。
甘噛部屋というライブ内にあるコーナーでの西野さんの発言等を見ていると、ちゃんとフリとボケを用意していて、キレイにオトしてるなーという印象で、きっとコントじゃなくて漫才をやってもすごく上手なんだろうなーと思います。しかしながら、漫才が面白かったら大好きになってしまうと思うので、コントをやっていてほしい…かな(笑)

こんな感じで。
東京でのライブにはなるべく足を運びたいなーと思っています。


公式プロフィール
大蜘蛛さんブログ「新米小説家」※どうやら更新していません
西野さんブログ「ウマい話」
西野さんtwitter @
今、このリンクをはるために西野さんのブログをはじめてPCから見たのですが*4、大蜘蛛さん別人すぎる!(笑)えーっと、今の大蜘蛛さんはボウズ頭で眉毛も太くてもっと可愛らしい感じです。(立ち位置右が西野さんで、左が大蜘蛛さん)

*1:このネタ見た直後はイマイチ…?と思ったけれど、思い返すとよく出来たネタだったんだなーと思います。飲み込むのに時間がかかるのは、コントを見ることに慣れていないからなんでしょうか。

*2:「面白くないもの」が要素として何度も登場する、というのは全編ボケっぱなしのものよりも印象が弱いかな?と思うことがあったので

*3:ネタ直後にコーナーが挟まったため、「谷啓さんに謝れ!」と言われていました

*4:普段は携帯電話から見ている