LLR単独ライブ「これからもがんばっていきまっしょい〜10年目突入記念!DVD収録あるから、過去の傑作ネタもやっちゃうよSP!!〜」
な、なんて長いタイトルなんだ…(笑)
LLRのDVD公演に行ってきました。実は個人的には漫才をDVD化することにかなり抵抗があって、ライブをまるっと収 録するならまだしも、DVDのために撮り下ろすってなんなんだろう、と。いつぞや誰かが言った「漫才は生もの」という言葉に強く共感しているからということもありまして。今、このとき見るから面白いんだというのは、必ずしも全員の全てのネタにあてはまることではないにしろ、かなり的を得た意見ではないでしょうか。(昔大笑いしたはずのネタを見て、あれ?いまいち…と思ったことは誰にでもあると思っているので。)とは言え、本当に実力のある人はきっと、失われない様に保存出来るんでしょうけどね。しかしながらライブで見たものを映像で見るといまいち伝わってこない...ということも多々あり、どうなのかなって部分がやはり強くて。だからお笑いのDVDもほとんど持っておらず、持っているものもほとんど記念的に購入しているのですが。
今回のLLRのDVD公演は、DVDにするにあたって彼らのお気に入りのネタを選んでいて、それらはわたしも見たことがあるものがほとんどで。収録された漫才はどれも今まで見た中で1番良いものに近しい(または1番良い)ものだったと思います。DVD化に否定的なくせには、過去の配信でお気に入りの日のものをiPodに保存して繰り返し見ていたりするので、今までの色んなネタを一番良い状態におこして、それを丁寧に(長い間楽しめるように)保存する…という作業なのかなーとなんとなく否定的だったDVD化というものに対して、目的が理解できた様な気がします。
と言うわけでLLRファンの方はもちろん、ファンとまではいかなくとも割とLLR好きだよーって方も買って損はない内容だと思います。福田花月については保障しかねますが...。(笑)
では、内容に触れまくった感想。ネタバレなので要注意です。
- だいずき
だいずがすき→だいずき とか だいちまおう とか限りなくくだらない、しょうもないことを喋っているのにこのネタにセンスを感じるのは構造が美しいからなのかな、とか。本当にこのネタ大好きです。
代表作ですよね。ものすごく久しぶりに見ましたが、最近の漫才に比べてかなりテンポが早い気がしました。「ゴマのことになるとつい...」の部分が好きです。
- 豚
- いいやつ
- バレーボール
- 伊藤ピンネタ
- 物語をつくる
伊藤さんがとても活躍するネタで、追い討ちをかけるような単語を言う間合いとか、最後のどんでん返しから垣間見える伊藤さんの性格の悪さ加減がものすごく良いなぁと思うネタ。しかしながら福田さんの暴走演技のインパクトが強すぎて伊藤さんの印象が薄れるという...なんだか繊細に繊細に丁寧に作ったのに、ぐっちゃぐちゃの包装紙で包むみたいな「勿体無い!」という贅沢さが素晴らしいですよね。そこが彼らの良いところで、だからポップさを備えていて、だからとっつきやすく人気者なんだろうなーと。
- 福田ピンネタ
- 怖い話
- ナンの精
- 悪霊
- 青春群像劇
先にも書きましたが、LLRはことばあそびネタにも強いですしかなり繊細なものを作れる、作ってるのにここまでポップに出来ちゃってて無敵だなぁと。ポップさ故に一定層からは遠ざけられたりするのかもしれませんが、彼らはお笑い好きだけを相手にしてるわけではないし、むしろそちらのほうが大多数なわけで、そこで近づきやすい、手に取りやすいものを作れるって重要だと思います。それでいて手にとってまじまじと見たときには、ものすごくきめ細やかで見惚れてしまうわけで。
LLRを良いなぁと思うのは、それらが狙ってやっているように見えないというかただただ愉快なものを求めた結果なんとなく出来ちゃったように見えるところです。師匠クラスやテレビスターがそういうものを意識的に作っていること は当然であり、そして意識してると感じるオーラと言うか見ているだけで圧倒的なセンスなんかを感じるのですが、LLRは地下芸人のニオイが抜けないと言うかおおよそ秀逸というものとは遠そうなのに、なのに、やれちゃってると言うのが。真相は分かりっこないですが、多分色々考えて作っているはずで、でもそれをそう見せない、というかそう見ることが出来ない彼らのキャラクターというものがネタそのものに負けず劣らずの魅力だなーと思うわけです。
余談ですが、ポイズンに無いものを感じてしまって、そこが彼らの人気の差だろうなとかも感じて、なんだか少し落ち込んでしまったのですが。うん、ポイズンの過去の傑作ネタも見たいな…という気持ちに襲われてなんだか手放しで素敵!とも言えなくてさみしいです。
*1:同じ展開になると期待させられる