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平成22年度 NHK新人演芸大賞 演芸部門


NHKにて毎年行われている「新人演芸大賞」の放送がありました。収録自体は10/16に行われておりまして、見に行って来ました。(id:punch-lineさんありがとうございます!)
見た直後は色々思っていたりしたのですが、これがTVショーであるということを踏まえて放送を見てから感想を、と思っていたらすっかり熱量を失ってしまいました(苦笑)当日見ていたときも、放送を見た後も、率直な感想は変わらず「アームストロングの圧勝」で納得です。LLRファンのはずなんですけどね、それをあっさり受け止められるほどアームストロングが素晴らしかったのか、単純に自分の中でのLLRへの興味が薄れているのか。

各コンビの感想とか。ネタバレ前提で書かせてもらいます。
ネタ合わせの風景が早送りのようで笑ってしまいました。
放送を見ていて思ったのが、生で見るよりずっとずっと早く聞こえるなぁということ。テレビという画面を通してしまうとなんとなく集中力が無くなる影響かもしれませんが、さらさらさらーと流れていってしまって入り込めなかったです。生で見たときはそんなに思わなかったんですけどね。私なんかのように普段からライブに出かけて「漫才を見る」ということに割と熱心な人が対象であれば問題ないのでしょうけど、世間一般でそういう人ってごく少数であって、彼らが相手にしなくてはいけないのはもっと大多数の「なんとなく漫才を見る」という方々だと思うので、そういう部分で弱いのかもしれないですね。
放送されていなかったですが、織田正吉さんからの講評では設定に入り込めない、分かりにくい、というような指摘をされていまして*1なんとなく頭に「base病」というワードが浮かんでしまいました、ウーマンラッシュアワーは結成間も無いですし、今はルミネとかNGKの出番もあるでしょうから上手く寄せていってくれると良いなぁと思います。

  • ヒデヨシ:コント「叱らせて」
出来すぎの息子を叱りたいという父親のコント。自分の一番好きだったフレーズは「思い切ったこと言うぞ」です。
漫才とコントを並べられると自分がいかに漫才にばかり反応しているかが分かりますね。コントはそれこそKOCで優勝するレベルでないと引っかかってこないようです。
「叱りたい」「悪いことしろ」「何か無いのか」といい続けた結果、予想を上回る悪さが発覚…というのは面白いなぁと思うのですが、その悪さレベルが悪すぎないというか、これは個人の感覚の問題かもしれませんがタトゥーを入れるという行為ってもっと身近なもの…ピアスを開けるレベルと言うといいすぎですが、「極端な悪さ」というものとはズレているんじゃないかなという印象だったのと。あの子供の年齢設定が見えてこないのが入り込めなかった原因かもしれません。大学に入って〜と言うから高校生かな、と思ったのですが「反抗期がきても〜」と言うのでもっと幼いのかな、とも思えますし。それが小学生という話であればタトゥーの極端さが増すのかもしれないですし。細かい設定ってどうでも良いようで実は大切なことだと思います、リアリティが欠けると途端に舞台上だけでの出来事になってしまってコチラまで響いてこないので。

  • トップリード:コント「合コン」
物語の面白さが良かったです、あの2人が両思いという結末は誰しもが少なからずキュンとくるのでは…と。アームストロングもそうですが、コントそのものの面白さはもちろんのこととしてそこに付随する楽しさみたいなものがあって良いネタだなぁと思いました。
舞台を2スペースに分けていて、2人だけの会話は音声ON、合コンでのやりとりは音声OFF、という見せ方も面白いなぁと思いました。音声が無い状態の時には受け手側はその会話を想像するわけでして、それがあることで内側(演者だけのもの)になりすぎてなくて良いですよね。

  • プラスマイナス:漫才「ゲーム」
漫才前のコメントにて「誰よりも楽しそうにやっている」というように仰っていまして。確かにプラスマイナスの漫才は楽しそうで、見ていて微笑ましくてそこが魅力だなぁと思うのです。
これまた織田庄吉さんの講評ですが「2人だけでやっている」というような指摘がありまして、この発言の真意は分かりませんが、客が置いてかれてしまっているということを指しているのかなという印象を受けました。楽しそうで、すごく楽しそうでニコニコと見ちゃうんだけれど、受け手側をグッと引き込んだ上で楽しくならないと置いてかれるというか、舞台でワチャワチャしているだけになるというか。ウーマンラッシュアワーに対して思ったことと似ていますが、なんとなくテレビをつけていて、なんとなく見ていた場合に彼らの漫才が同じように面白いと感じるかと問われればNOではないでしょうか。すごく舞台的な漫才、それが悪いわけではないのですがやはりテレビを通すと色褪せちゃうなぁと。

  • LLR:漫才「だいずき」
紹介での「同じお笑い専門学校〜」という表現、NSCのことって「養成所」という言い方が一般的なので「お笑い専門学校」と言われるとなんだかものすごくコミカルな印象になりますね、面白い。
私このネタすごく好きなんですが(彼らのネタの中で一番好きかもしれない)漫才って一般的にボケがツッコミを振り回すという形が多くて。LLRなんてまさにそういうコンビで、ネタじゃない場面でも福田さんが好き勝手やってそれに突き合せれてる伊藤さん、という構図があると思うんですけど。(バレーのネタとか、セサミンなんかもそうですよね)このネタが良いなぁと思うのは、冒頭はいつも通り福田さんが伊藤さんを困惑させているのに、いつの間にか伊藤さんが福田さんを困惑させる、という内容に変わっていてその「伊藤さんが主導」という形がすごく好きなんです。すごくLLRっぽいというか、気がついたら伊藤さんに主導権を握られているのですが、でも福田さんの性格上それに乗っかるのも悔しいのか何なのか意地でもそれを貫くというか。だから野菜に話題を変えたりだとかね。それまで楽しそうにだいずきとかだいズッキーニとか言っていたのに、伊藤さんが福田さんを出し抜くような一言を放った後のテンションの下がり具合というか拗ね方というか、そこらへんの表現がもうちょっとなのかな。
このネタがあの場でウケていたということは彼らのもつ面白さっていうのがちゃんと伝わっていて、しかもそれが世間一般に通用するものだということだと思うので、素直に良かったなぁと思います。
しかし改めて放送を見ると若干テンポ早いような印象も受けますね、生で見たときはそんな風に感じなかったのですが。何だろうかポイズンのスピードに慣れすぎているのでしょうか(笑)
今回の講評でも言われてましたが、このネタを見て「これだけでやりきる勇気」みたいな発言がありますが(M-1での花丸大吉さんの感想でもありましたよね)多分本人達にそういう意識は無いと思うのですが…。ノンスタあたりのテンポの良い漫才が主力になっていて、こういう漫才は新鮮なんでしょうか…。若手ではこういう漫才ってあまり無いのかな、そんなはずないんだけどな。

こちらの予想を裏切る展開で、そういう作り方が評価されたんだろうなーと。
司会の杉崎さんも仰っていましたが、一万円を使う時点で「あ、これ盗るんだな」というのが一番最初に頭をよぎると思うのですが、そっちにはいかないんですよね。
演技力というか、分かりやすくて良かったと思うのですが…もっと素直で単純な「可笑しさ」っていう部分で弱かったような印象。お芝居チックというか、どちらかの発言とか掛け合いとかではなくて「この状況」が可笑しい・面白いというようなものって印象的で素敵!と思うんですけど賞レースなんかでは弱いんですよね。犬の心とかライスとかにも通じるような…。いや、決してシュールコントではなかったですけど。

  • アームストロング:コント「帰りの会」
コントより漫才派で、しかもLLRファンであるはずの私でもアームストロングのネタを見終わった後にはもうアームが優勝だなーと感じていました。それぐらい抜群に良かった。
真顔で淡々とという感じと、とっつきやすいイメージしやすい設定と、それに加えて転校の発表以降のなんとなくしんみりしちゃう感動要素もある物語と、すごく良いネタですよね。この賞レースにぴったりだったと思います。
悪口の言い合いの部分で、素直で単純な可笑しさを積み上げておいて、オチでがっつり物語の美しさを作り上げる…思い返せば思い返す程良いネタだと思います。

  • 銀シャリ:漫才「万引きGメン」
貫禄の漫才(笑)
「○○やりたい」と言ったらその設定に入る、という一般的な漫才のスタイルを理解してくれない相方、というのが面白いですね。M-1の2回戦を2日間だけ見に行ったのですが、「漫才をやる」というコントがすごく多いなという印象を受けていまして、銀シャリのこのネタもその類なのかもしれませんが、なのに漫才の枠からはみ出しすぎていないというのが素晴らしいな、と。M-1で見たそれらは「漫才やる気ないんだったら出るな!」って思うくらいコントだったのですが*2銀シャリのこのネタは限りなく漫才なんですよね、単純に私の脳内には「銀シャリは真っ当な漫才師」という前提情報があるからそう見えるだけなんでしょうか。そんな気がするな。
印象的なフレーズを書きとめながら見ていたのですが、そのどれもがツッコミのフレーズでしてLLRを見ては「ツッコミって大事!」と思っていることもあり、銀シャリって良いコンビだなー良い漫才師だなーと思いました。



何と言うか、実際見に行った時はそこそこ距離も離れていて表情ひとつひとつまで見えなかったのですが、放送を見るとLLRというか福田さんの緊張っぷりが!見える!(笑)ネタ終わった後は緊張も解けたのかいつもの表情でしたね、だからいつもどおりしょうもないコメントを続々と出せたんだろうな。
放送にはのってなかったですが、福田さんはこの日伊藤さんの誕生日であることに触れていまして「誕生日加点があるから」と言うような主張をしていました。NHKだぞ!賞レースだぞ!ここはシアターDじゃないんだぞ!と思うと同時に、そういう場でもいつも通りくだらないことばっかり言う福田さんを改めて好きだなぁと思ったり。アームのお2人もそれに乗っかって好きなことを言っていて、「まったくAGEAGEのメンバーは…(--;)」と思ったのも事実ですが、あはは。
勝手な意見ですが、多分LLRは次点だっただろうなーと思うのでまた来年頑張って!というかだいずきを超えるネタを早く作って!と切に願います。

*1:実際仰った言葉はもっと柔らかかったと思います

*2:本人達もそれで優勝する気などさらさらないのが見て取れるのでついイラっと…